院長メッセージ
生活習慣病:ガイドラインも大切だけど、やっぱり個人差
2026年8月
これまで、生活習慣病に向き合って30年以上経過した、とつぶやいていましたが、いやいや、、そろそろ35年というべきかも、、歳がばれてしまいますね😅。私たちの時代は、卒後2年間の研修が必須となりはじめた頃、内科は今のように内科が循環器内科、消化器内科、呼吸器内科など臓器別に分かれておらず、おのずと、内科全般の診療にあたり、脂質代謝を得意とした先輩先生からは生活習慣病の診療を丁寧にご指導いただきました。ご指導いただいた先生方に大感謝です。
この35年あまりの間に、医学界は大きく様変わりしました。次々と仮説が解明され、「経験」とされていたことが証明され、新事実が発見されました。健康寿命を延ばすことを目標に、生活習慣病のガイドラインは高血圧症、糖尿病、高脂血症を中心に、日本人の実際のデータをもとに、その時の最新データに基づき改良・更新され、高齢者のための目標も設定されるようになりました。何度、新しいガイドラインが発表される度に、昨日のOK👌🏻は今日のアウト❌、その逆も経験し、患者様の困惑もあったことと思います。それでも、新しいガイドラインは、日本人の生データに基づいているのです。いつもその時の最良を目指して、ガイドラインの改定の際には直ちに治療方針を見直し、生活習慣病と向き合ってきました。
そんな中、注意が必要だと実感したのが、高齢者です。年齢を重ねるごとに、同じ年齢でも、生活状況の差が大きくなります。お仕事している方していない方、運動習慣のある方ない方、独居・同じ世代の伴侶や兄弟と同居・子供さんと同居などの家庭環境、認知機能も皆さまそれぞれです。また、例えば糖尿病を例に挙げると、若いころから糖尿病を指摘され治療を重ねながら年月を経た方と、高齢になってから初めて糖尿病にデビューした方とでは、合併する病気の状態がまるで異なります😯。ガイドラインで高齢者向けのやや緩めの目標値が提示されていても、一律に年齢で判断するわけにはいきません。やはりガイドラインは、あくまでガイドライン、やはり、個人に向き合わなければなりません🤔。実際、たった1年間、少しだけ、それまでの目標値よりも少しだけ高齢者向けの甘めの目標にしただけでも、肝を冷やす結果が続きました。まさに、個人差、、、😓 高齢者向けの甘めのガイドラインを参考に、大きな病院を受診しなくてもたくみ内科で実施できる検査*はしっかり行い、個人個人に合わせた治療目標値を見出すことが大切なのだと、改めて実感いたしました。
そして、検査値の数値が同じでも、同じように病気が進行しないのが、個人差というもの。個人個人の状態を見極めながら、治療目標を設定し、治療を進め、少しでも、元気に過ごせる期間、健康寿命を延ばすことに尽力したいと思う、この頃。
幸いスタッフに恵まれ、一丸となって皆様の健康寿命に向き合う日々でございます😊
*当院で行う検査:血管エコーで頸動脈のプラーク(血管壁にこびりつく脂)を観察、血管年齢(血管の硬さ)による動脈硬化診断、眼底カメラによる動脈硬化診断など